河の流れは絶えず~和泉編~
「そりゃ、気の毒だな。何か頼んで来たかい?」

「はい、すぐに持ってきてくれるそうです。佐脇さんはお昼召し上がったのですか?」

「うん、俺はいいよ。夏葉ちゃんが飯を食ってから始めようか。」

もう太陽が中天を通り過ぎる頃で、部屋の中は幾分暑くなりだしてき、なおかつ熱いお茶を飲んだものだから、汗ばみ始めて来だしたので、座ったまま仰け反って障子を開けた。

すると気持ちのよい風が部屋を回りだし、何か気持ちを落ち着かせるようだった。

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