河の流れは絶えず~和泉編~
「そんなに急ぐことないのに。」

慌てている彼女の様子を見て、つい口をついて出た。

けれど、彼女の顔には幾分、翳りが見える。

何かあったのか。

そう言おうとした時、

「実は、出掛けに兄に聞かれたんです。」

、、、、林太郎?

「何を聞かれたの?」

「浩平さんときぬたやに入ったことが噂になっていると。ほんとのところはどうなのかと。」

ふぅっとため息が出た。

、、、、、あいつの耳に入ったか、、、。
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