河の流れは絶えず~和泉編~
「あたしが洋書を読むこと、どうしてわかったんですか?」

ああ、そんなこと。

「だって、いつも君のかばんに入っているから。」

俺も本をよく読むほうだが、彼女はもっぱら洋書しか読まないようだ。

海外文学に非常に興味があるらしい。

時折、きれいな発音で詩などを暗唱している声を聞いたことがある。

俺を見ると恥ずかしいのかすぐに止めてしまうけれど。

神田町までの道のりは本当に楽しいものだった。

今までは狭い部屋の中、二人で過ごすばかりだったから、久しぶりに戸外へ出てのデエトは胸が躍るものがあった。

しかし、女の子と話をするというのは、男同士で話をするのとはまったく違い、非常に新鮮なものがある。
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