河の流れは絶えず~和泉編~
確か彼女と同じ学校に通っている子だと前の手紙に書いてあった。

内容は所謂、恋文というやつだった。

俺にはその子に対してどうという気持ちは何もなかったから、敢えて返事はしなかった。

もう、それより以前から、俺は彼女が気になっていたし、偶然とはいえ、彼女とこれから会うにまで発展したのだ。

読んでどうのということもないが、一応目を通しておくのが礼儀と思い、おばさんには礼を言って、自分の部屋へ戻り、封を開けた。

やはり、内容は同じく恋文でこの間の返事を聞かせてほしいと書いてあった。

週明けに大学の近くで待つから会って欲しいと書いてある。

返事も書くつもりはなく、便箋を封筒に仕舞い込み、引き出しへ仕舞った。
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