河の流れは絶えず~和泉編~
「もう、頭の中が真っ白になってしまって。そうしたら、佐脇さんが助(す)けてくだすったでしょう?このこともびっくりだったんです。」

「え?」

「あたしも、前からどんな人なのかと思っていたから。」

と願ってもない答えが返ってきた。

本当なのか、、、?

「期待して、いいのかな。」

ぽそりと言った。

「はい?」

慌てて手を振って、

「いや、何でもない。まあ、これもなにかの縁だからこれからもよろしく。」

と、頭を下げた。

彼女も

「はい、よろしくお願いします。」

と頭を下げてくれ、見合わせた目が笑っていた。
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