蕾~桜の木の下で~
「...榊 唯ちゃんだよね?
あ、俺、朝倉 晴斗(あさくら はると)って言います。
入学式で生徒代表の言葉言ってたんだけど、覚えてないかな?」

「...あ、すいません。
その日の事は緊張していて覚えてなくって。」

「そっか。

...率直に言うとね、俺、君のことが好きなんだ。

いきなり言われても困るかもしれないけど、俺、君に一番に想いを伝えたかった。

まだまだ俺のこと何も知らないと思うけど...1週間、考えてくれないかな?

すぐに応えようとしなくていいから。
応えを出そうとしなくてもいいから。

だから、お願いします。」

「フフッ。」

「...え?」

「あ、ごめんなさい。
今思い出しちゃって。先輩の生徒代表の言葉。

えっと、新入生のみんな...

「怖がらないでください。

俺だって入学式はあがったし、この代表の言葉だって練習では何回もかんだ。
でも、みんなが入学してくれたことに、俺は勇気をもらった。

みんなの誇らしそうな顔を見て、俺はこの
1年生と出逢えて良かったと思った。
俺とは1年間しか一緒じゃないけど、宜しくお願いします。

...かな?」

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