【コラボ】ブラック・メール
「……式ってそんなに大事なんかな」
「嫌なら、しなくてもいい」
「いや、俺らはするんやで!?
絶対、中止になんかせえへんからな!!」
やっと結婚が決まって、やっとこの恋人を自分のお嫁さんにすることができるのだ。
彼女を幸せにする。
それを本人だけでなく周囲の人間にも誓い、今までの感謝を伝えるためにも、式は絶対にするのだ。
はた、とセッテは気づいた。
そうか。
式って、大事やんな。
「…………」
「……飲む?」
ノーヴェが差し出したビールの缶は、よく冷えていた。
「いただきます。」
こうなったら、しょうがない。
なるようになれだ。
セッテはビールを一本だけ飲むと、翌日のためにすぐに寝ることにした。