my teacher
皆が帰った後。
私は黙々と掃除をこなしていた。
「…先生の悪魔。」
私は聞こえるか聞こえないか程度のすごく小さい声で呟いた。
「悪魔で結構。
でも妃芽はそんな俺が好きなんだろ?」
聞こえたの!?
私はびっくりして思わず先生の方を見る
「俺地獄耳だから気をつけた方がいいよ、妃芽チャン♪」
先生の“チャン”づけが怖いですから…
「先生、久しぶりに会ったのに扱いひどいよ。」
私は些細な抵抗をしてみる。
「これがいつもの俺だろ。」
…まぁ、確かにその通りだからなにも言えないけど…
私がショボンとしながら掃除を続けようとすると、先生は目を通していた皆の進路希望のプリントをしまい、おもむろに立ち上がると私に近づいた。