曼珠沙華


夕方の六時


ふらふら夜道を
徘徊している訳でもない


緻密な知能犯


購入した煙草を
ポケットに詰め込み
自転車を漕ぎ始める


何事もなかったように
商店街を抜け


通っている中学校の前を
通り過ぎると


校舎の中から
俯いた女の子が
独り


重苦しい足取りで
歩いて来る姿が見えた


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