月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
「"何者だ、てめぇ!!"だぁ?それはこっちの台詞だ!!調子に乗りやがって…ここが何処だか分かってんのか!?」

「おい、この声…」

「あぁ、間違いねぇ…"あいつ"だ。おい!!ずらかれ!!」

…何が…起こったの…?

「おい」

「あ、はい!!」

「お前、怪我は」

「ありませ…っ痛!!」

立とうとしたら、右足首が痛かった。どうやら走った時に捻挫してしまったらしい。

「ったく…仕方ねぇなぁ…」

人影は屋根から降りると、私の前に立つ。その人は赤髪でかなりの容姿だった。その人は私の前にかがむ。

「…」

「おら、早く乗れ。」

「え、でも…」

「いいから乗れ!!さっきみいな奴らが襲って来たらどうするんだよ!!」

「は、はい!!」

短気だなぁ、もう…でも優しいかも。男の人の背中って安心する…

そう言えば小さい頃、拓真におんぶしてもらったなぁ…

拓真…伊織…二人共、大丈夫だよね…?


「…」

「寝てるし…こいつが本当に"月詠姫"なのか?」

私はまた意識を失ったー…
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