イタズラ ~TABOO~




 「よっちゃんのこつが好きやっちゃが、第2ボタンくれんね」


 私は思い切って告白した。


 木陰に隠れて覗き見してた小学生たちが騒ぎ出した。


 よっちゃんは耳まで真っ赤にして、学ランの第2ボタンを引きちぎると、遠くに投げた。




 「あん時はただ恥ずかしくて、傷つけてゴメンな。おいもまこつ(本当)はわら(お前)が好きじゃった」


 そう言うとよっちゃんは大きな腕で私を抱き締めた。


 15年越しの返事に涙が流れる。


 今日が最後の日だから____


 ゴメン


 心の中で彼氏に謝ると、そっと瞼を閉じた。




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