あの頃のように
この秋二人目の寿退社だ。


「マジでもう人足りねーわ。

潤也、おまえ今日◯◯区方面行くだろ?」

「はい、行きますけど」

「ついでにK***社に寄って来てくれよ。

例の営業見習いの子と話してきて。

とっとと引き継ぎさせて連れてきてよ。

来年からでいいやって思ってたけど、宮ちゃんもいなくなるなら早いほうがいい。

ちょうど月末だからさ。区切りもいいし」


沙稀のことだ。


「……了解です」

「っていうのはさ。

その子、今は営業見習いだけど、以前はViewpointでドキュメント作ったりしてたらしい」

「あ、そうなんですか」

「仕様書くらいならすぐに作れそうだし、助かるだろ。

向こうの営業減らしついでにうちで仕事してもらおう」

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