あの頃のように
柴田さんと入れ違いにささっと早足でミーティングルームに入ると、後ろ手にドアを閉めた。

緊張しながら、椅子にちょこんと浅く腰掛ける。


何かの資料を見ているのか、潤也さんは手元の紙をペラペラとめくっていた。

こちらを見もせずに。


(ずいぶん髪が伸びたんだな)


こないだ会ったときは暗くてよくわからなかった。


整った繊細な横顔は昔のまま。

ちょっと引き締まって、険しくなったけど。


ダークグレーのスーツがよく似合う。


(すっかりクールなビジネスマンだね)


何か言ったほうがいいのかな……。


ドギマギしていると、潤也さんの唇が小さく開いた。


「お仕事中悪いね、時間取らせて」

「いえ、そんな」

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