あの頃のように
パジャマ姿で布団から飛び降りて、カバンをごそごそあさると、何やら荷物をいっぱい抱えてシャワーに飛んでいく。

ちょこまか走る後ろ姿を見送りながら、俺はゆっくりベッドからすべり降りた。



「ありがとうございました」


洗面所から出てきてぴょこんと一礼した沙稀は、すでにすっかり準備ができていた。

カジュアルながら落ち着いた服装、化粧。

水玉のパジャマの女の子とは別人みたいだ。


「場所はわかるよな? 会社の」

「……はい。わかります」


相変わらずの丁寧語。


「ここからは歩いて20分かからないくらいだ。

俺は車で行くから、後で出る」

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