あの頃のように
布団から飛び跳ねるように起き上がって。

寒かったのか、あわてて掛け布団をかきあわせた。


「す、すみませんっ」


なぜか謝る沙稀を横目で見ながら、俺も起き上がる。


「あの……」

「……何もしてないよ」


物問いたげな沙稀の視線に、つい答えると。

沙稀の頬がじゅわっと赤くなった。


「そそうじゃなくて……えっと……

シャワーお借りしていいですか」

「好きに使えって言ったでしょ」

「……じゃあ……お借りします」

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