TABOO†堕ちていく…~秘密の恋
職場で知り合った智也と私の結婚が決まり、両家で式場の下見も兼ねて設けられた顔合わせの席。
「お料理も美味しいですわね」
「ほんと、ますます結婚式が楽しみですわ」
母親達の会話を聞きながら、私の心の中は修羅場だった。
ホテル内のレストランで智也の家族と顔を合わせたときの驚き。
智也の後ろから姿を見せたのは、
元カレの尚樹---
高校生の時にナンパされて、付き合って半年であまりの女癖の悪さに別れた。
それから約十年…
食後のコーヒーを飲みながら和やかに歓談が続く間も、
私はぎこちない笑顔を顔に貼り付けたまま、動揺を隠すのに必死だった。