主役にキスを
「それで、準主役は?」


「白のタキシード着たまま固まってた」


想像できる。

彼もその姿を思い出して、笑っている。





散々笑ったあと、彼は鏡ごしに私と目が合う。



「お前は?あんま緊張してないだろ」

「そう?」

まぁ確かに、自分の姿に浮かれて、式のこととか考えてなかった。


「余裕なくしてやろうか?」

「はぁ?」

そう言った彼の目にどきりと心が鳴る。

ズンズンと近づく彼に、鏡ごしだけど目が反らせない。



すぐ後ろで気配があると思ったら。


「なっ?!」



< 3 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop