Hurly-Burly 5 【完】
年明け早々に馨君にはお世話になりそうだ。
「ところで、どこへ向かっているんですか?」
一応移動しつつだったからずっと気になってた。
これ、どこへ連れてかれるのだと思ってたのだ。
「駐車場だけど、日和ちゃん顔青いよ?」
ちゅ、駐車場だと!?
「あた、あたしは犯罪者になりたかないよ。」
また、バイクか!!
クリスマス・イブイブの夜のことを思い出して、
ズササっと後退して逃亡を図ろうとした。
「ヒヨリン、何か年明けでパワーアップしたか!?」
「ゆ、ユウヤ、あたしはいつも高みを目指してるっ!」
「あ、そうか・・・・」
き、危険な行為は禁止すべきだ。
今年、生徒会長になったら全面廃止してやる。
「つーか、後ろの人様に迷惑だろ。」
け、慶詩の後ろに何か乗らないからな。
3人乗りは法律違反でお巡りさんに追いかけられるんだよ。
あたしはきちんとネット検索したんだからな。
「人様に迷惑かけたのは貴様ではないか!」
「あん?」
「ひっいいいいいいい!!」
「日和ちゃん、とりあえず黙ろっか?」
「ひっい!」
短い悲鳴を上げながらもユウヤに引きずられて、
駐車場内に連行された。
「ど、どうか、最後まであたしは清き心を持っていたと
語り継いでくれませっ!」
馨君の雷が落ちるのは時間の問題だ。
言いたいことは言っておこう。
「なーに、言ってんの~」
「伊織君の鬼っ!」
「鳴かせてやろーか?」
「し、死にたかないよっ!!」
あれは、あたしのトラウマな事件となっている。
平和な年明けライフを密かに送れていたというのに、
年始めからこの調子では今年は厄年だ。
あたしの安らかな1年が祈願されたはずだったのに、
大晦日にちゃんと除夜の鐘叩いて今年も平穏に
時を過ごせますようにと祈りに近いお願いを
したはずだったのに、神様の嘘吐き!!
ちゃんと、仕事してくれよ。