Hurly-Burly 5 【完】

年明け早々に馨君にはお世話になりそうだ。

「ところで、どこへ向かっているんですか?」

一応移動しつつだったからずっと気になってた。

これ、どこへ連れてかれるのだと思ってたのだ。

「駐車場だけど、日和ちゃん顔青いよ?」

ちゅ、駐車場だと!?

「あた、あたしは犯罪者になりたかないよ。」

また、バイクか!!

クリスマス・イブイブの夜のことを思い出して、

ズササっと後退して逃亡を図ろうとした。

「ヒヨリン、何か年明けでパワーアップしたか!?」

「ゆ、ユウヤ、あたしはいつも高みを目指してるっ!」

「あ、そうか・・・・」

き、危険な行為は禁止すべきだ。

今年、生徒会長になったら全面廃止してやる。

「つーか、後ろの人様に迷惑だろ。」

け、慶詩の後ろに何か乗らないからな。

3人乗りは法律違反でお巡りさんに追いかけられるんだよ。

あたしはきちんとネット検索したんだからな。

「人様に迷惑かけたのは貴様ではないか!」

「あん?」

「ひっいいいいいいい!!」

「日和ちゃん、とりあえず黙ろっか?」

「ひっい!」

短い悲鳴を上げながらもユウヤに引きずられて、

駐車場内に連行された。

「ど、どうか、最後まであたしは清き心を持っていたと

語り継いでくれませっ!」

馨君の雷が落ちるのは時間の問題だ。

言いたいことは言っておこう。

「なーに、言ってんの~」

「伊織君の鬼っ!」

「鳴かせてやろーか?」

「し、死にたかないよっ!!」

あれは、あたしのトラウマな事件となっている。

平和な年明けライフを密かに送れていたというのに、

年始めからこの調子では今年は厄年だ。

あたしの安らかな1年が祈願されたはずだったのに、

大晦日にちゃんと除夜の鐘叩いて今年も平穏に

時を過ごせますようにと祈りに近いお願いを

したはずだったのに、神様の嘘吐き!!

ちゃんと、仕事してくれよ。

< 10 / 415 >

この作品をシェア

pagetop