Hurly-Burly 5 【完】
とにかく、自分のファッションセンスは皆無なあたしだが
人のを選ぶとなると180度変わってしまう。
まずは靴から行こうとなって、お買い物でウキウキの
サユを追いかけて恐怖のショッピングタイムに突入した。
バーゲンセールに行けば、大抵安く仕入れることが
出来るわけでそもそもその考えがイカンらしい。
ヒールの高さで迷ってるサユとは裏腹に、
藍ちゃんは色を迷っているようだった。
あたしはすでに一番履きやすそうなムートンブーツを
手にお会計を済ましていた。
「あんた、早っ。」
「・・・・そのムートン、リボン付いてる。」
「あっ!」
気づかんかった!これはミラクル起こしたかも。
「訳あり品だけどね。」
さ、サユ、どうしてもその言葉に弱いのよ。
「可愛いと思うけど?・・・」
藍ちゃん、ありがとう!!
あたしは、この買い物をして良かった!
サユと藍ちゃんの恐るべきショッピング魂は続いた。
迷うと必ずと言っていいぐらいあたしに聞いてきた。
「あんたに聞いて後悔したことないんだもん。」
そんな可愛いこと言わないでよサユちゃん。
抱きしめたろっか!!
―――それから、数時間後―――
あ、足がクタクタになりそうなのですが。
お腹も減ってさっきから大合唱だ。
「日和、ごめんね。疲れたでしょ?」
やっとこさ、ショッピング巡りもひと段落
ついたところでようやくランチタイムに突入した。
「うおー、ヨダレが出そうだ!!」
「あんた、落ち着きなさいよ。」
メニューを見てすぐ頼んだあたしに、
サユが呆れた顔をしていた。
目の前に藍ちゃんとサユが座って、
奥にあたしが居て、2人を独り占め中なんてぐふふっ。
※危険人物ではありません。
飲み物を飲みながら2人は買ったものを
見せ合いっこしていて微笑ましかった。