Hurly-Burly 5 【完】

思ってもない展開に1人オドオドしていると、

車は早速走行し始めて心が追いつかなかった。

「やっぱり、あたしは売られるのか!?」

「オメェなんか売っても誰も買わねぇだろ。」

「なっ、酷っ!」

後ろから慶詩の攻撃を交わしたところで、

運転の反動から座席から空中に舞い上がって、

天井に痛恨なる衝撃を与えられた。

「あたしの大事な頭が!!」

ば、馬鹿になったらどうしてくれる!?

「日和ちゃん、落ち着こうね。」

「はい・・・すいません。」

馨君、怖っ!

あたしは正しい判断をしたと思われる。

馨君の雷が落ちる前にシュタッと座り直して、

心の中で呪文を唱えるかのごとく隣に注意と

密かにビビったのであった。

「日和ちゃん、正月はどうだった?」

その空気を変えるようにターヤンさんが

助手席から声を掛けてくれた。

「おせち料理をマミーと作りました!

永瀬家と合同できちんと初詣も行きまして、

自分の健康とみんなの進級をお祈りして来ました。」

今年こそは進級させてやって下さいと願ったぞ。

だから、多分何とかしてくれるはずさ。

「何か、日和ちゃんの健気さに感動した!」

「はい?」

ナル君がキラキラした瞳で見つめてくるし、

ターヤンさんに感動されたようだ。

「もちろん、先輩になるのはご免被りますからね。」

先輩だなんて言われたら寒気で寝こむ。

「そ、そりゃそっか。」

ターヤンさんが苦笑いを浮かべた。

「あたしに不可能なんて文字は存在しないのです。

させると言ったらさせるまでのこと。

是非ともお任せ下さい!女に二言はありません。」

「た、頼りにしてるよ。」

「ええ、どーん来いです!」

あたしが出来る事は全力を尽くすまでだ。

ここまで来たらとことん前しか見ない。

そうやって、少しでも抵抗してやる。

幸せなんて誰かにしてもらうことじゃない。

監視がどこまで行き届いてるか分からない。

だけど、絶対に手出しなんてさせないわ。

一ノ瀬っていう敵からもみんなを陥れようとする

第三者からも必ず守ってやるんだ。

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