Hurly-Burly 5 【完】
走行する車は安全運転で殆ど揺れることはない。
「ところで、どちらに向かっているのでしょうか?」
さっきから気になっていたことを口にすると、
ターヤンさんが煎餅をくれた。
「何だ、誰も言ってなかったのか?」
「何ですか?この只ならぬ空気感は!!」
ターヤンさんが目を細めてバックミラーごしに
口を開いた瞬間ナル君がギュッと目を瞑った。
な、何か怖いのかなと思って、ナル君の手を
ギュッと握るとパッと顔を上げた。
「こ、怖いのかなと思っただけなんですよ。別にやましい
ことしてるわけじゃないので出来る限り謙虚さを持って
接してるわけであって・・・」
言い訳が上手く思いつかないものだった。
ただ、ナル君が怖いって思うものから守ってあげたい
と思っただけで本当にやましい気持ちはこれっぽちもない。
「千治の実家に向かってるわけだけど、日和ちゃん平気?」
「えっ!?本当ですか!!今日この日にいいのですか!!
う、嬉しいですっ。いつ連れて行って下さるのだろうと
待ちに待ってました。稜さんにもお会いすることが出来るのですね?」
「そんなに喜ばれるとはやっぱり日和ちゃんは変わってるなー。」
「そ、それは褒めて頂いてるのでしょうか!」
ターヤンさんって見た目よりも話し上手な方だったのね。
ナル君の手がギュッと握り返された。
「いや、怖くないのかなって?」
「多少、面構えがおっかないオジサンとか居るよ。」
やっちゃんさんがハンドルを回して右折する。
「えっと、何かご挨拶の仕方とかもあるんですか?」
ちぃ君のご実家ってどんなところなんだろう?
やっぱり、その業界の人がザッと居るのかな?
「あー!!大変です!お土産も用意せずに失礼だわ。」
ちょっと、ワクワクしてきた。
「日和ちゃん、怖いもの知らずだね。」
「そうですか?」
怖いものならあるんですけどね。
「お土産とかそういうの気にしなくてもいいと思うけど、
本当しっかりしてるよな。」
「いいえ、是非ともオススメのどら焼き屋さんが
あるので寄って下さると幸いです!」
甘いものでも大丈夫かなと聞こうと思って、
ちぃ君に視線を向けると(´∀`∩万歳してた。
どら焼き、好きなのか!!