Hurly-Burly 5 【完】
やれやれって顔をする上條さんに痛い視線が
突き刺さるのだった。
「コイツは俺の左腕ってところで射場って言うんだけど・・・・」
※左腕という響きに目を輝かしている日和です。
「よ、よろしくお願いします!!左腕さん。
巨人族の左腕に出会えるとは長生きして良かった!!」
「えっ?」
左腕さんが困った顔をしたところですかさず慶詩の
ゴッドハンドによってツッコミが入った。
「テメェの脳みそ今ここで解体してやろうか?」
「きょ、凶悪犯がここに居る!?」
ギラギラとした視線に怯んだ。
「まず、どこからツッコミ入れるか分かんねえ
ボケかましてんじゃねえーぞ!」
「そこは腕の見せどころでっせ。」
慶詩が面倒臭いと言いながらソファーに
胡座をかいて座った。
「ハートに78のダメージを負った我がガラスのハートを
補強する旅に出ようと思う・・・・・」
「日和ちゃん、元気出そうね。」
馨君、あたしは慶詩をいつかあっと言わせてやります。
「ところで、ひよこちゃん彼氏居る?」
な、何を聞いてくるんだ!!
この者は一体何者なんだ。
焦げ茶色の髪を後ろで結んでいて八重歯を
出して笑う射場さんに後ずさった。
「そういうのは興味がない。」
最近、こういうふうに聞かれること多くないか?
あたしはどうせちんちくりんなんですよーだっ!
「えーっ、勿体無い。可愛いのに何なら手とり
足取り教えてあげよっか?」
すこぶる、アイツは危険人種だ。
「ふんっ、結構だ。」
伊織君とはまた違う女性の口説きをする。
こ、これが、俗に言う男子高校生のリアル。
「可愛い顔が台無しだよ?」
「ひっい!」
か、可愛いと言われた!!
この男、案外見る目があるのか?
それとも、社交辞令・・・に違いないな。