Hurly-Burly 5 【完】
う、浮かれたりしないからな!
そんなことで騙されるあたしではなにのである。
「ちょっと、あんたさっきから日和に馴れ馴れしく
してんじゃないわよ!」
マコ君と田中とすごろくをしていたサユがいきなり
でーんっと登場してきた。
「あわわっ、サユちゃま!!」
「いいこと?日和にちょっとでも変なことしたら、
木の上に吊るしてやるからね。」
今日もなんというかサユの暴君には驚きである。
「あ、君は誠の彼女って噂のウサギちゃん!」
「何この馴れ馴れしさ?」
サユ、抑えて!!今にも鉄拳を繰り出しそうだわ。
「ひよこちゃんとうさぎちゃんはいつもセットって聞いてるよ?」
「ど、動物に例えるとは小癪な!!」
サユと一緒に馴れ馴れしい左腕に後ずさった。
「射場さん、マジで怒りますよ?」
それまで笑ってたマコ君の素顔を垣間見たのである。
その後、マコ君の恐怖にカタカタと震える左腕さんだった。
「ま、マコ君は一体どんな弱みを握っていると言うんだ・・・」
サユを連れて行ったマコ君の背中を見つめるのだった。
「誠はああ見えて腕っ節強いから射場の代役に
なったりすることも多々あるんですよ。」
中塚さん、君が苦労しているように見えます!
「射場は情報専門ってところもありますからね。」
「す、スパイ!?」
中塚さん、それはスパイ活動でもしてるのか?
「ああ、たまにそんな感じのこともあるかな。」
「ハニートップって今流行りのこともやってるよー!」
「そのような極秘任務も!?」
「日和ちゃん、何か勘違いしてるよ・・・・」
馨君が疲れたようにため息を吐くのだった。
「ヒヨリン!!」
ナル君がギュッと手を掴んできた。
「うむ?」
「・・・・あんまり今日喋れてない!」
ナル君の瞳がユラユラ揺れて、ピンク色に
染まった頬にムッとしたいじけたナル君の可愛さに
脳天に火山が噴火するほどの衝撃だった。