Hurly-Burly 5 【完】

***



クルミちゃんと2人でサユと彩乃ちゃんを捜索しに

行くと、彩乃ちゃんをひしっと抱きしめる我が友が居た。

「ほら、ひよっちもああだったんだよ。」

確かに、男前だわ。

泣いてる女の子を抱きしめるなんてカッコイイぞサユちゃん!

「クルミちゃん、大丈夫ですか?」

「うん。ごめんなさいしてくるね。」

「大丈夫です、彩乃ちゃんはクルミちゃんを

許してくれるはずだから。勇気を出すのです。」

ポンっと背中を押すとそれに気づいたサユが

彩乃ちゃんの背中を押して2人が泣きながら

抱き合って女子の友情は守られた。

「あやっち、ごめんね!!あたし、あやっち大好きっ」

「クルミ、あたしこそごめんね。」

それをサユと顔を見合わせて見守った。

“日和、クルミが泣き止むの大変だったんじゃない?”

そう言ってそうな気がしたから首を横にブンと振った。

大変なんかじゃなかったよ。

やっぱり、あたしはクルミちゃんと彩乃ちゃんが仲良し

でいて欲しかったから。

お友達が悲しいときこそ、手を差し伸べてあげられる

人でありたかったんだ。

「それでは、友情を再確認しあったところで第二部突入です。」

クルミちゃんと彩乃ちゃんが抱き合いながら首を傾げ、

サユが何言ってんのよと視線を送ってきた。

「彩乃ちゃん、スッキリしましょう!

やはり、彩乃ちゃんには幸せになってもらいたいから、

それまではあたしが彩乃ちゃんを守ります!!」

「日和ちゃん?」

「彩乃ちゃんはとっても素敵な女の子なのです。

それは、あたしが保証します!」

「・・・・分かった。今日ケジメつけてくるね。」

「応援してます。応援歌を歌ってあげてもいいですよ。」

「それはいいや。日和ちゃん、帰ってきたら

慰めてくれる?」

「もちろんです、いつでもあたしが慰めます!

どんっと来いとでも言っておきましょうか。」

胸を叩く素振りをすると彩乃ちゃんが笑った。

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