Hurly-Burly 5 【完】
高校生活で青春を謳歌している今だからこそ、
乗り越えなきゃならない壁はいくつもある。
立ち止まって考えて、それでも上手く行かなくて
人は自分の限界を知るんだろう。
それでも、前に進む勇気は誰もが持ってるはずだから
泣いた分彩乃ちゃんにこれからの幸あれ。
「ねえ、日和。あたしたち、あれから喧嘩したことないよね?」
彩乃ちゃんとクルミちゃんが前を歩いている。
2人で仲良く話しているところを微笑ましく
見ていたら、サユがにっこり笑ってきた。
「そうですね、あたしはサユちゃんあいらびゅーなのです。」
「や、やめてよ。」
サユがまたツンデレで可愛すぎる!!
「これから先もあたしの親友と呼べる存在は、
サユ以外にありえません。」
「そんなこと言ったらあたしだって同じよ。
日和はあたしの唯一無二の親友なんだからね。」
「えへへっ、嬉しいです。」
友情が何となく深まった1日になった気がする。
彩乃ちゃんとクルミちゃんともまた仲良く
なれた気がすると思うと嬉しかった。
「あやっち、大丈夫?」
「うん、今連絡したらすぐ来れそうだって言うから
学校の近くで話してくるね。」
「ファイトです!彩乃ちゃんにはあたしが付いてます!!」
「そんな男は振ってやりなさい!」
サユ、拳握っているのは気のせいかね?
「ありがとう、すごく心強いよ。」
彩乃ちゃん、少し強くなったみたいだね。
ブンブン手を振るクルミちゃんに、
彩乃ちゃんが手を振り返していた。
その後ろ姿は小さくなんかなかったと思う。
覚悟を決めた人の背中は立派に送らないと、
ささやかだけどあたしからのエールだ。
「フレーフレー彩乃ちゃん!!」
「ちょっ、やめなさいよ!」
「ひよっち、静かに送ろうよ・・・」
だ、だって、背中を押したかったんだもんよ。
でも、そんなの必要なかったみたいだね。