Hurly-Burly 5 【完】
それにしても、何か過保護なんだよね。
例え、お兄ちゃんの命令であるにしても・・・
一体お兄ちゃんはどんな弱みを握ってるのかしら?
「それは、そうとあんたたち何企んでるのよ?」
サユの女の勘によって疑われた2人は知らん顔出来ずじまい。
す、すごいぞサユちゃん!
君こそがこの物語のヒーローになるべきだよ。
「えー、何も考えてないよ。」
「それ、教師としてどうなのよ。」
サユちゃん、強し!!立派です先輩!
「ほら、最近夜は痴漢出るって言うしーさ、
さーちゃんみたいな綺麗な子は危ないじゃん。」
「あ、あたしは!?」
サユは確かにそうかもしれんが、あたしはいいのか!!
あたしも一応レディーの端くれだぞ。
ちっとは、心配せんか!
「大体、修ちゃんなんてもっと危ないよねー。
最近、おばちゃんが男の子を襲うってのも
あるらしいからきーつけな。」
村田、あたしは!?
尽く、シカトされてるこの屈辱的なのは何?
これはイジメという名の世間の荒波ですか?
「では、あたしが2人をお家に入るまで警備
せねばということですね!」
でも、あたしもう傷つかない!
何なら、痴漢に雑草引っこ抜いて顔面に投げつけてやるわ。
「ほら~、約一名全く理解してない子居るよ?」
「しょうがないわよ、日和はこういう子なんだから。」
「もう慣れた・・・・」
な、何故か、永瀬姉弟があたしに冷たい視線を送ってくる!
「日和ちゃん、はぐれないように気をつけるんだよ?」
か、馨君、あたし幼稚園児じゃないよ。
それぐらい、分かっておりますよ。
「だ、大丈夫だよ!ああ、そうか!」
いいことを思いついてしまった。
サユと修平君の手を片方ずつ掴んだ。
「ほら、これで2人は迷子になりません!!」
ふんっ、これならば2人が迷子になることはないぞ。
あたし、我ながら得策ではないか。
ぐふふっ、キョトンとしてる。
何、この空気は・・・・あたしの得策無視されたのか!?