Hurly-Burly 5 【完】

それにしても、修平君の技を見られなかったのは残念だ。

全国大会でよく優勝してたほどの実力を持っている。

それはそれは、激強で見た目とは裏腹の男の子なのだ。

「こ、怖くなんてないですよ!」

「・・・じゃあ、もうこういうことはなしね?」

これじゃあ、あたしは修平君の妹ポジションではないか。

「で、でも、一度撃退したのですぞ!!」

「あっそう。」

「その返しはハートをえぐります。」

「・・・・・ごめん。」

修平君がくるっと振り返ると、もう突進でやってくる

サユが見えてゾッとした。

「ひ、日和っ!!どこに誘拐されたんだとおもっ・・」

サユが言葉を止めて修平君と顔を見合わせた。

姉弟の視線での会話である。

「あんた、誰に襲われたの?あたしがゴミ屑にしてやるわ!」

今にも、暴走しかねないぞこれは!!

ご、ゴミ屑って・・・何をする気なんだ?

サユちゃん、ブンブン肩を回して準備始めないで!!

「あ、あの、でも、修平君が見事な蹴り技を・・・」

「取り逃がした・・・・」

ま、まだやる気で居たんですか!?

修平君、あたしはびっくらしてまっせ。

「修平、あたしがあんたのミスを挽回するわ!!

どんなヤツだったか覚えてる?」

修平君の肩に手を置いて、頼もしくも胸を

叩いたサユの男前っぷりには最早止められる気配がない。

「いや、とくに何もされてないし・・・」

「殴られそうになってた・・・・」

しゅ、修平君、それは言っちゃいかんよ。

そんなこと言ったら・・・・ほら、サユちゃんの

目が据わってしまうではないか。

「今すぐに、ミンチにしてやるわ!」

「サユちゃん、そんなこと言っちゃ駄目よ。」

とにかく、サユを落ち着かせなければ。

マミーのプレゼント選びはまだ終わってないと言うのに。

ミンチって本当に何をしようと言うんだろうか?

「日和をどうにかしようなんてあたしが目の黒い

内は絶対に言わせないわよ!!」

男前の親友を持つとまさに大変なのです。

誰か、サユちゃんを止めるの手伝って!!


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