Hurly-Burly 5 【完】
バレンタインなんてものは誰が作ったんだ!
「日和ちゃんが誰にあげるとかそういう問題は
この際置いといて、クルミと紗友梨に教えてあげてくれないかな?」
あ、彩乃ちゃん、なんて友達想いなの!!
「あたしで良ければいいですよ?サユは毎年マコ君に
あげてるもんね。」
「日和が居なきゃあたし無理よ!!」
そんなことないと思うのだが、サユは不器用だから
確かに心配要素が転がってる。
「でも、ひよっちもこれだけたくさん居ると大変だね。」
「へっ?」
後ろで子犬のような視線を送ってくる不良メンバーズに、
ギョッとするしかなかった。
「義理チョコなんて市販で十分よ!」
サユ、不良メンバーズがそれでもいいって顔
しちゃってますけど?
「折角だから、作りましょう!」
今年もダディと修平くんには作る予定だったけど、
人数が多くても大して変わらないからまとめて
お歳暮のようにしてやるか!
「「「ヒヨリーン!!!」」」
そうじゃないと、貰えない子が出るとあまりにも
可哀想な気がする。
「それがね、ひよっち!どこもチョコレート自体
が売り切れで困ってたの。」
「えっ、戦場はすでに乱闘済みだったのですか!?」
こういうときの女子って怖そうだ。
「やられたわ!ここら辺のはどこ行っても売り切れよ。」
「お取り寄せにしても日数的には間に合いそうに
ありませんね。」
どうしたものかしら?
この際、チョコレートじゃなくても良くないかしら?
「俺らに任せて下さい!!」
不良メンバーズの1人が宣誓を決める。
「チョコレートの確保は必ずしや俺らが何とかします!」
みんなして頷く不良メンバーズに唖然だった。
き、君たち、そんなにも食べたいのか?
そして、こういうときは結束が固く揺るぎない!
な、何か、大事になりつつあるような気がして
ならないのだが・・・・。