Hurly-Burly 5 【完】

【CASE3:日和と7人の小人たち】



とにかく、チョコレート売り場は戦場だわ。

「日和ちゃん、何してるの?」

「防弾チョッキを身につけるのだ!」

何があっても可笑しくないもの!

敵の襲来に向けていつでも向かい打てる

手はずを取っておかなきゃ戦いを制する

ことなど出来やしないわ。

「いや、それはさすがにねえだろ。」

「な、何を生ぬるいこと言ってんだ!」

この防弾チョッキでいくつの命が守られて

来たと思っている!!

「つーか、それはどこから手に入れたんだよ。」

慶詩がうんざりした顔をした。

「兄ちゃんのクローゼットの中に入ってた。」

「テメェの兄貴、何してんだよ!!」

「知らんよ。防弾チョッキが嫌ならこの

盾を貸してやっても良いぞ。」

ふんっこの盾は意外にも重かったぞ。

「いや、マジでいらねえよ。んなもん

ぜってえに必要ねえだろ。」

「き、君たちは本当の恐ろしさを知らないから

そんなことが言えるのよ!!」

闘争心に燃える女子の戦いを見たことがある!?

ワニとライオンが小鹿を取り合う様子に

似てるって兄ちゃんが言ってたんだからな。

「ねえね、おねーさん、綺麗だよね~ん。

これから、時間空いてたら俺と」

バシっと伊織君の頭を叩いた。

「おだまりっ!」

伊織君のフェロモンは女子を虜にする

能力が備わってる!?

さっきのお姉さんが目をハートにさせる。

「な~に?ひよちゃんがイチャイチャしたかった?」

「s、Shut up!」

い、伊織君フェロモン恐るべく魔力を秘めている!!

も、もしかすると、これは勝てるわ!!

そうさ、女子はイケメンに弱いって鉄則の

掟があったじゃないか!!

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