Hurly-Burly 5 【完】
これで、この戦も勝ったも同然だな。
「日和ちゃん、落ち着いた?」
「何で、英語・・・?」
馨君と京君があたしを見て困った顔をしている。
「頑張って!」
財布と買い物袋をユウヤの手に預けた。
「は?」
「見れば分かるだろうよ!」
「いや、力合わせるところなんじゃ・・・」
「大丈夫、ほら、見てよ。モテるっていいじゃないか!
これでチョコレートは楽勝getよ。」
「いやいやいや」
「何さ、イケメンに生まれてきたことを感謝するべきよ。」
「納得いかねえっ!!」
ユウヤが脱力するところを見て首を傾げた。
周りの女子が一気に目をハートにさせる。
「特殊な電磁波でも流れてるのかしら?」
絶対に可笑しいわ。
これは調査の対象になりそうだわ。
「日和ちゃん、正気に戻ろっか。」
ブラックスマイル降臨にて脳内の分析データを
飛ばされた。
「どういった作戦内容に致しましょうか?」
いい案だったと思うのにな。
馨君のブラックスマイルには逆らえないよ。
「どれぐらい欲しい?」
ナル君がにっこりと微笑んだ。
うおおおおおおっ!!
天使が降臨したよ。
世の女子どもよく見よ。
この可愛い子に免じてチョコレートを渡して
頂こうじゃないか!!
ってなことにはならないかな?
「あればあるほど欲しいかな。」
「じゃあ、俺頑張るっ!」
その笑だけで半分以上の女子がメロメロよ。
「な、ナル君、君は無敵よ!!」
女子が全滅するのも時間の問題だわ。
ガバッとナル君に祝杯のハグをしたら、
ナル君が後ろにヘタリと倒れた。
「な、ナル君、どうした!?」
彼の身に一体何が起きたというのだろうか?
「きゅ、急にドキドキした!」
真っ赤な顔で瞳が潤んでまさにこの物語の
ヒロインの座は君にと言いたいぐらい可愛らしい。