Hurly-Burly 5 【完】




違うな、ちぃーが優しいからみんなそんなちぃーに惹かれる。


あの日、俺に必要だったのは誰かに受け入れてもらうことだった。


今もまだ、暗いところは克服出来ねぇけどあの頃より

少しだけ強くなれたと思ってもいいかな?


本当は、もっと強くなって母ちゃんを幸せにしてやりたいけど

まだまだ強くならなきゃいけない。

いつかは、暗いのも克服出来るように頑張りたいと思ってる。



「成君、どうしちゃったのかしら?」

「まさか、千治が泣かせたんじゃないだろうな!!」

「・・・・・・増田、お前は落ち着けよ。」



今はちゃんと嫌だって言えるようになったから。

少しずつ、俺は俺で頑張っていける。


「ナル、桃太郎が潰れる・・・・・」

「にゃあー、にゃーあ」

「ちーはるん、また猫拾ってきたのかよ?」

「・・・・・・連れてこようか迷った。」

「後で、まっさんに怒られるの覚悟しような。」

「・・・・・まっさんって怖いのか?」

「この間、アヒル拾ってきたら怒られた。」

「・・・・・アヒル?」

「ちーはるは、ほっとけない性分なんだよー。」




涙を拭きながら桃太郎を見ると心なしか笑ってたような気がした。

だから、俺も泣くのは止めて笑おうって誓った。

それで楽しい時に楽しいって笑えばいつか過去として

心には残るかも知れないけど泣いた日々よりもずっと

俺らしく生きていけるような気がするから。






“普通”の幸せをやっと掴みに行けるはずだから








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