Hurly-Burly 5 【完】
な、何かすごい視線を感じたけど気のせいかな?
「ヒヨリン、血は止まったか?」
「んふっ!」
ナル君におしぼりで顔面を清掃される。
ナル君のプリチーフェイスが近いせいか、
あたし自分の顔面はとても醜く見える。
「ヒヨリン、今度は俺がちゃんと守っからな。」
「うぬぬっ?」
ぶへっ、相当鼻の下にこびり付いた鼻血がしつこいっぽい。
ナル君がゴシゴシとおしぼりで拭いてくれる。
しかし、若干痛いと思いながら強い意志のある瞳に
ナル君の決意の強さを思い知った。
「俺今はまだ駄目でもヒヨリンを守れる男になる。」
「・・・・・ナル君?」
「だから、それまでに俺も男らしくなれっかな?」
大丈夫だよ―――――
ナル君は、もう男の子にしか見えないから。
立派に育ったのはきっとナル君を大事に育ててきた
お母さんのお陰だよ。
ちゃんと、ナル君が真っ直ぐ純粋に育ったナル君の
お母さんに感謝をしたい。
「ヒヨリン、手繋いでていい?」
首を傾げながら可愛くおねだりされて、
うんっと頷いてすぐにナル君に手を差し出した。
「今日はナル君サービスdayです!」
「サービスdayって何があるんだ?」
「ナル君を全力で甘やかしてあげる日なんですよ。」
「そんなのあるのか!?」
ほら、ナル君の笑顔はやっぱりとびっきり元気になる。
「「「「「ヒヨリン、成さん!!」」」」」
不良メンバーズがどわっとやってきたことに
ナル君と2人で固まった。
よっちゃんとももっちは男のくせに泣いてた。
無事で良かったぜっと煩いぐらい喚いてた。
他の不良メンバーズも男のくせに泣いてた。
みんな、あたしがそんな小者だと認識してるらしい。
どっかに、誘拐されたと本気で心配したとか言ってる。
そんなすぐに誘拐されるわけないと考えれば分かると思う。
いや、その前にテスト前にこの騒動で進級出来なかったら
それこそあたしに全責任がのしかかるような気がする。