Hurly-Burly 5 【完】
「稜さん、また頭抱えんぞー。つうか、まっさんが
怒り狂うぞ?風間と知り合いで何とかなったにしろ。
冷や冷やさせんなよ、誰も怪我してなかったから良かったものの・・」
永遠と続くターヤンさんの説教みたいな長話に、
耳を傾けてたのは多分誰も居ないであろう。
「シマ・・・ウマを食べちゃ駄目だよキリンさん!」
あたしの夢は完璧にシマウマを食べる悪いキリンさんが
ダークな世の中になっていた。
「何だよ、コイツの夢気味悪い。」
慶詩がキリンの上でふんぞり返ってる。
「・・・・・日和ちゃん、キリンは草食動物ってこと知らないのかな?」
馨君はやっぱりシマウマが似合うと思うのだ。
「・・・・・・・ひよこ、疲れてるんだな。」
京様は草原で読書しているぞ。
「京、疲れてるからって俺はあんな夢見ねぇぞ!?」
ユウヤがキリンに追いかけられてる?
「ひよちゃん、こうして見ると寝顔は可愛いじゃね~の?」
「伊織君はゾウに蹴飛ばされるんだな・・・ぐふっ」
「おいっ、夢の中で俺死ぬのかよ?」
伊織君は踏み潰されるところで魔法のカーペットで
華麗に交わした。
「・・・・・・・写真、アルバムを作る。」
「千治、オメェ今日は寝てねぇ!」
「慶詩、写真はどうやって撮んだ?」
「おいっ、ちょっと待て。何でアラーム開いてんだよ?
やっぱ寝る気なんだろ!?お前が起きてるなんて珍しいもんな。
絶対に違和感しかねえもんな!おいっ、千治アラームの画面で
ボタン押しても写真は撮れねぇだろうが。この天然野郎が!」
「( ´ ・ д ・ ` ゙ )」
「千治、貸せ・・・・」
「・・・・・・京、撮れるのか?」
「ユウヤにやらせる。」
「はぁ!?俺?俺に何だって?」
「ちーさん、2ショットで2人のアルバム作ろうとしてんだと。」
「えっ、ちぃー親バカ!?2人の親かよ。」
「・・・・・・・違う」
「あのさ、2人起きるから静かにしようね。」
馨の忠告で千治のケータイが馨に渡って、
2ショットを撮り終わった様子を運転席と助手席で
見守る大人たちは君たちの成長を然と目に焼き付けていた。
『日和ちゃんのお陰でこいつら丸くなったな。』
『こうやって、大人になってくんだ。』
マンションに着くと兄ちゃんに抱きつかれて夢の
世界から帰還したのに何故かその帰り道は兄ちゃんに
おんぶされて帰宅したのだった。