Hurly-Burly 5 【完】

そう言って、笑みを浮かべてから手を振って

家の中に入った。

ちょっと、恥ずかしかったなと後になってから思った。

照れてもしょうがないことだけど、照れてるなあたし。

ペシペシほっぺたを叩いて気を取り戻して明日の

準備をしてお風呂で気分が上昇して大合唱して

その日の夢はジョセフィーヌと浜辺で追いかけっこ

してるいい夢を見れた。

次の日の朝は早くから大和さんが家に居た。

寝起きにラジオ体操をしていると大和さんが

玄関から庭でラジオ体操しているあたしにおはよう

ございますと声を掛けてきた。

は、早くないかと思いながらあわあわとラジオ体操を

しているあたしにジェスチャーして家の中に入っていった

大和さんは今日も素敵スーツ姿だった。

ラジオ体操が終わって一通り運動し終わってリビングに

戻ると大和さんがキッチンで朝ごはんの支度をしていた。

「うおー、大和さん、あたしやるよ。」

「いいですよ、日和様は座ってお待ちください。」

「で、でも!」

「それと一緒に朝ごはん食べてくださると嬉しいです。」

大和さんのその爽やかさは非常に良くない!

朝から何たる爽やか登場してくれてんだと言いたい。

「はい、もちろんです。」

ワイシャツを腕まくりしてエプロンを付けて朝食の

準備をする大和さんは手際がいい。

本当に大和さんの欠点が見つからなくて参った。

何でもこなしてしまうから最早敵なしだ。

その内、大きな欠伸をしながら師匠とリビングに

入ってきた兄ちゃんはギョッとしながら大和さんを見た。

「おはようございます、透真様」

「おー、おはよう。大和、俺人参嫌いなんだけどな。」

「知ってますよ。」

「は、腹黒いヤツだな!!」

「何がです?」

兄ちゃんが青い顔しながら食卓にならぶプレートを

見つめて人参ヤダと声を漏らして箸で人参をあたしの

お皿に入れてきた。

朝からなんて非常識な兄だろうかと思いながら、

人参を食べてあげるとパンにジャムを塗ってくれた。

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