Hurly-Burly 5 【完】

慶詩に見破られるなんてあたしもまだまだだ。

「慶詩、あたし帰るよ。ジョセフィーヌがお腹を

空かしてあたしの帰りを待ってるに違いない!」

「・・・・ん、ああ」

「唐揚げ」

煌く一番星が地上を照らし出した。

「あ?」

短い返事が返ってきて慶詩を見上げる。

背が高いから見上げないと表情が分からない。

何見てやがるって顔をする慶詩は眉間にシワを寄せてる。

「唐揚げ食べたいから今度作ってご馳走したまえ。」

偉そうではある言葉に慶詩は口角を上げた。

「上等だ。食わしてやる。」

「春休み、お弁当持ってピクニックに行く計画立てよう!」

「ピクニックなんか行くか。」

「春って言えばピクニックだよ!お弁当っていえば

冷めても美味しい唐揚げさんだよ!!」

「わーったよ。そのことは家に帰って全員に聞いといてやる。」

「うむ、頼んだぞ指令!」

「その設定は何なんだよ。」

呆れる慶詩に本当にもう帰るねって言って、

手を振ってやっぱりあばよって言って帰りたかったから

あばよって言ってから逃げるようにして走って帰った。

次会う時は多分叩かれるに違いない。

オメェ、逃げたやがったなって酷い仕打ちに合うかもしれない。

その時は全力で馨君と京君とナル君にすがりつこう。

マジで、助けて下さいって言おうと思う。

ツッコミを日々向上してる慶詩にボケの多い周囲だからだ。

慶詩は突っ込んだこと聞いてくるんだと思った。

特に、ボケはちぃ君であるけどもだ。

ちぃ君のボケは最早天然物だからこそ慶詩も苦労してるに違いない。

そんな慶詩のツッコミに怯えながらも帰ると美味しい匂いが漂ってた。

これは何の匂いだろうと足早に家の中に入って、

すぐにジョセフィーヌにタックルされた。





食卓に並べられたお皿にはあたしの大好物の唐揚げが綺麗に

盛り付けられた夕飯が出来上がってた。




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