Hurly-Burly 5 【完】
その沈黙を破ったのは他でもないあたしのお膝の上で
今までご睡眠中だったココちゃん。
「ふぁー、ひよちゃんだー!!」
「お、おはようございます。」
ぎゅっと抱きつかれてキュンキュンした。
「あれ、パパだ!パパ、ママと仲直りしたの?」
ココちゃんの言葉で伊織君父が一層暗くなった。
「こ、ココちゃん、お腹は空いてませんか!?
あ、あたしはですね、何故か減ってしまいましたよ。」
その微妙な空気を悟ったあたしはすぐさま話題転換を試みた。
「心もお餅もっと食べるの!」
ここちゃんが、テーブルにある磯辺揚げを見て目を光らせた。
よ、良かった!ココちゃんの気がお餅にいったわ。
「ど、どうなってんだ?」
ちぃ君と伊織君の方にコソコソ小声で話した。
「・・・・・・いつものことだ。」
ち、ちぃ君に諦められてるよ!?
「しょーがねぇのよ。」
伊織君なんて自分の父なのにそんな軽い口調でいいのか!?
喧嘩してるような言いようだったけど?
いいのか、この幼なじみコンビ!!
「そ、そういえば、奥様方が居らんではないか?」
またもや、ちぃ君と伊織君にコソコソ言った。
「ん?」
餅をそんなに頬張ってる場合なのかな?
ちぃ君のマイペースさには度肝を抜かれる。
夏君もすっかりちぃ君のお膝がベストポジションに
なっているのか、大人しくちょこんと寄りかかってる。
ちぃ君が聞こえなかったせいか耳を近づけようとした。
き、綺麗な横顔だなこの野郎と思ったせいかペチっと
頬を殴ってしまった。
「何だ?痛いな。」
本当に痛かったようで、頬を摩るちぃ君。
横ではナル君がビックリしていた。
「い、嫌だな、オホホ・・・」
へ、変だな。何かちぃ君をまともに見れない。
可笑しいな、どうやって接してたっけ?
き、綺麗だからって顔を近づけて油断させようって
魂胆は見破っているからな!