Hurly-Burly 5 【完】
クスクス電話口で笑う四季を想像してみた。
「4月に高校に入って、友達が出来たんだ。
し、四季も危ういぞ!イケメン軍団とお友達に
なったひーちゃんは最早学園のアイドル!!」
『妄想するのはそこまでにしとけば?』
「何を!!」
透真が噛み付きそうになったケータイを
保護して呟いた。
「いや、マジで日和ちゃん友達たくさん
出来たみたいだぞ。お前が居ない隙に
攫ってかれちゃうかもな?」
早く帰って来てやれよと思った。
『それは心配だなと言いたいところだけど、
望むところだね。奪えるもんだったら奪って
ごらんとでも言っておこうかな。』
自信満々にそう口にする四季に驚いた。
「それ、どういう意味だ?」
透真が眉間にしわを寄せる。
「ひーちゃんのことなんてどうでも良くなったって
言いてぇーのかよ!!」
日和ちゃんのことになると熱くなりすぎだコイツ。
『どうでも良い?そんなこと思ってたら今離れて
なんか居ないけど?透真が一番理解してくれてんだと
思ってたよ。』
「・・・・・・どういうことだよ!」
『俺がどれだけ日和ちゃんをずっと見てきたか
一番知ってるのは透真と真だよね?』
知ってた、どれだけ長い間四季が日和ちゃんを
想ってきたかなんて一番見てきた。
「ろ、ろ、ロリコンッ!」
『それじゃあ、透真はシスコンだね。』
やけくそになってる透真を哀れんだ。
「じゃあ、どうする気だよ!」
『奪い返せばいいんじゃない?負ける気は
全くしないんだよ。日和ちゃんのためなら
何でもするからね僕は。何度でも日和ちゃんを
奪い返せる自信しかないよ?』
本当に厄介な男に好かれたもんだな。
『でも、友達出来たんだね?
良かった、良かった。実は少し気になっていたから。』
そう言ったら、日和ちゃんは笑うだろうか?