Hurly-Burly 5 【完】

透真がソワソワしながらオカメインコと手を握り合ってる。

「誰だ?」

俺のその声に電話越しから微かに笑ったような声が聞こえた。

「何だ?コイツのケータイに掛けても無意味なんで

他当たった方がいいっすよ。」

そう言って消そうと思ったら、聞き覚えのある声が

その場に木霊して手が止まった。

『真は相変わらず変わってなさそうだ。』

クスリと笑ってそうなアイツの顔が浮かんだ。

「・・・お前っ!」

隣でビビってたはずの透真が顔を真っ赤にして、

今にもケータイに噛み付きそうになった。

『透真も全然変わってなさそうで何よりだね。』

「お前こそ、ちっとも変わってねぇほど訳分からん

ヤツだな!今すぐ、決闘だ!ひーちゃんは渡さんぞ。」

透真が興奮する中でアイツが静かに呟いた。

『渡すも何も日和ちゃんの意志なんじゃない?』

「きっいいいいいいい」

悔しそうに唇を噛み締める透真にオカメインコ

まで目がクワっと見開いた。

「だったら、何でひーちゃん置いてった?」

少しの沈黙の後に何言ってるのって言い方をする。

『それじゃあ、連れて来て良かったの?』

「そ、それは!」

透真が言葉を止めるのを横目に気になることを

口にした。

「お前は今どこに居るんだよ?」

その問いかけに四季が答えるつもりはないのか、

適当なことを言った。

『さぁ?どこなんだろうね?日和ちゃんは元気にしてる?』

いつもこんな感じで澄ましたヤツだ。

「なっ!お前にひーちゃんの様子なんて言ってやらんぞ!

最近のパジャマはモコモコしてるとか絶対に言わんぞ!」

透真は絶対に隠し事出来ないタイプだろとため息が出た。

『モコモコしてるんだ?』

「な、何で知ってるんだ!?」

透真、自分で言っただろうがと思いながら呆れた

視線を向けるとフッと鼻で笑うような四季の声が漏れた。

こんな急に電話なんかしてきて何のつもりだ!?

< 96 / 415 >

この作品をシェア

pagetop