キモチの欠片
「だって…遠藤さんの件は解決したしあたしが葵の部屋に行く理由はないよ」
こんなことを言うあたしはホント可愛いげがなく素直じゃないなって自分でも思う。
「理由ならあるだろ、俺とゆずは付き合うんだし彼女が彼氏んちに行くのは普通だろうが」
「まぁそれはそうだけど、」
あたしたち付き合うの?なんてとぼけると
「お前なぁ…」
チッと舌打ちして睨んでくる。そんな姿を見てクスリと笑ってしまうあたしはあまのじゃくな女だ。
「ゆず、今までずっと我慢してたんだからもう容赦しないから」
覚悟しろよ、となんとも恐ろしい発言をする葵。
「とりあえず、キスさせろ」
言うが早いか左手で腰を引き寄せ右手で後頭部を押さえ唇を塞がれた。