キモチの欠片
「俺が広報部の子に河野さんを連れて来てもらうように頼み込んだんだよね。前から君と話がしたかったから」
遠藤さんは少し照れくさそうに笑う。
「そうだったんですね。今日、突然言われて驚いていたんです。それに一人完全に浮いてるから」
隣の遥たちを見て苦笑いする。
あたしの言葉に遠藤さんも服装に気づいたのか、申し訳なさそうに謝ってきた。
「あー、ごめんね。無理矢理だったのかな。なんか悪いことしちゃったなぁ」
「いえ、大丈夫ですよ」
あたしが来るって決めたんだし。
「それならいいんだ。ところで、柚音ちゃんて呼んでもいい?ダメかな?」
「構いませんよ。好きなように呼んでください」
もう会うことはないだろうし、今回だけならどう呼ばれても問題はない。
遠藤さんと話していたら、どこからか視線を感じて周りを見回す。
ゲッ、葵になぜが睨まれた。
あたしがなにをしたっていうのよ。
べっ、と葵に向かって舌を出した。
「柚音ちゃん、急にどうしたの?羽山がなんかした?」
遠藤さんがあたしと葵の顔を交互に見る。