可憐な華にくちづけを





両手を広げてみせると、すぐさま
勢いよく抱き締められた。

首もとに掛かる吐息が少しくすぐったい


背中に回された腕は男らしく
わたしがコイツに回した手は全て包めなく

弱々しいほどの腕



力の差 男女の差 時間の経過
見せつけられる。





「きーえちん、大好きっ…。」



甘い声で囁く言葉は 偽りなのか
わたしのこの行為は

大罪なのか。






「聖司、」


腕に力を込めると、わたしに回された腕にも
力強く 優しく 抱き締められた。













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