私はカレの、苺のショートケーキ
彼がここを訪れるのは、平日の昼下がり。

三年生として在籍している大学の付属図書館で、半年前からアルバイトをしている。

彼――茂野友春さんのことは、ずっと前から知っていた。

この図書館は大学関係者や研究者に限らず、一般利用者にも開放されている。

彼はいつもスマートなスーツ姿で、本を借りていく訳ではなく、新聞資料室で過去のデータベースを閲覧していくから、弁護士とか刑事とか、固い職業なのだろうと推測している。
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