私はカレの、苺のショートケーキ
思わず甘い溜息が洩れて、同時に彼のスーツの腕をぎゅっと握る。
彼はそれに余裕の笑みを浮かべると、更に深く、私の咥内を舌で犯した。
腰に回された力強い腕。もう一方の手は、さわさわと円を描きながら臀部を弄っている。

ここは図書館の片隅。
いとも容易く私を誘惑するのは、同い年の彼氏ではなく、‘ハル伯父さん’。

スイーツ店の窓越しから、何度か3人を見かけるうちに気付いた、彼の秘めた想い。

ただ、きっかけが欲しかった。茂野さんと知り合うきっかけが――。
彼は、ひた隠しにしている想いを見ず知らずの私に指摘されて、顔を青ざめた。でもそれはほんの一瞬で、深いところに眠らせていた私の欲望を見破って、口元に不敵な笑みを浮かべた。

気付いたときには、彼の冷静なくちびるに翻弄されていた。
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