恋の魔法に



「結城くんたちにはまだ時間がたくさんあるよ」



先輩は一歩下がって、まっすぐと俺を見つめた。



「この悔しさをバネにしてもっともっと頑張ればいい。ねっ、頑張ろ!」


「……はい」


「早く手首治すんだよ!」


「はい」



自然と口角があがった。
笑ってみせると先輩も嬉しそうに笑い返してくれた。


先輩。

葉山先輩。



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