にゃーん!

「……沖田」

「んー?何?」


僕が刀の手入れをしていると璃桜が名前を呼んだ

僕は刀から目線を反らさずに答えた


「…ありがとう」

「……え?」


今何て言った?
『ありがとう』?
なんで?

僕は驚いて璃桜を見た

璃桜は僕をしっかりと見ながら優しく朗らかに微笑み言った


「さっきはありがとう。沖田のお陰で勇気が出た、沖田のお陰でみんなに言えた…だからありがとう」


頬を少し赤らめて恥ずかしそうに笑う彼女は何か今までとは違って…

何か彼女を縛っていたものが、彼女の背負っていたものがなくなったのだろうか

美しくみえたんだ


∽沖田side∽




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