バッドエンドにさよならを

「僕さ、母さんを幸せにしたいんだ。」

「おん。」

「今まで母さんを傷つけて、母さんの時間を奪ってきたから、これからは母さんのために生きたい。」

「…おん。」

「母さんの欲しいものは全部買ってあげて、母さんの望むことは全部してあげたい。」

サワの言葉を聞いて、さっき見たサワの母さんを思い出した。ドレスのような派手な服を着て、ブランドもののバッグ、アクセサリーを身に付けていた。

「お前もしかして、母さんのわがまま全部聞いて買ってんのかよ。高そうなブランド身に付けてるやつ全部。」

「…お母さんに会ったの?」

「こっから見えた。」

「今日は帰ってきたんだ。」

サワはほっとした表情になった。

< 185 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop