バッドエンドにさよならを
「なに?いつもは帰ってこねえの?」
「ううん。時々帰ってこないんよ。彼氏の家に泊まってて。」
「…彼氏?」
「そう。母さん若い彼氏できてね、毎日楽しそうなん。恋愛では悲しい思いばっかしてきたけん、次こそ幸せになってほしいな。」
あんな派手な格好で若い男と付き合ってる?どう考えても貢いでるとしか思えない。俺の考え方が歪んでるだけか?
「…なあ、サワ。お前ケータイ代も払い忘れやなくて金払えんのやろ。バイト代も全部母さんにあげて、ろくなもん食べてないんやない?もしかしておばさんの仕送りも大半母さんに使われてるん?学校休んで朝も晩も働いて、ちゃんと食べずに睡眠もとれてないやろ?ボロボロやん。」
「…ユウには関係ないやろ。」
「ないことない。サワの友達やん。それに、おばさんが病院空けれんから俺が来たんであって、おばさんの代行でもある。」
「…」
「なあサワ、俺はサワが元気で笑っとるなら何も言わんよ。バイト掛け持ちして忙しくても、ちゃんと食べて寝て、学校行ってるんやったら、連絡つかんでも安心できる。でもお前疲れ切っとるやん。転校前は全然やったやん。」
このままじゃサワが死んでしまうと思った。