バッドエンドにさよならを

教室のドアを勢い良く開けるサワ。

クラスの全員が注目する。

サワは野上を見つけると、一目散に向かった。

昨日の3人も野上と一緒にいる。

「野上くん!」

「…誰?」

「2組の井上。」

「はあ。何の用?」

「二宮くんに意地悪するんやめえや。」

「は?」

「なんでそんなに二宮くんいじめるん?」 

「あいつグズやもん。それに、あいつから俺らに寄ってくるんで?いじめられたくないなら離れたらええやん。」

「仲良くしたいからやろ!野上くんらと友達でいたいから!野上くんに逆らったらひとりになるやん!ひとりは怖いんよ!」

「ひとりが嫌なら今の状況に耐えればええやろ。グズが生きる道なんてそれしかないやん。」

野上は半笑いだ。

「…んな。」

「は?」

「ふざけんなよ!」

サワが啖呵を切った。

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