隣の彼の恋愛事情
「斗馬」

「え?」

「三浦さんじゃなくて、斗馬。呼んで」

「―――斗馬」

自分が言葉にした斗馬の名前を自分の耳で聞いたときに、やっと後ろから付いていく下僕の立場から、隣へ並ぶ事を許された恋人に昇格した気がした。

「好きだよ。紅緒」

そして斗馬が呼ぶ私の名前は今まで誰に呼ばれたときよりも、甘く耳と心に響いた。

「もう、お前が何いっても止めないから」

そう言われて、熱い唇が重ねられた。
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