それでも君が好きだよ

音は北野が右手に持っていた割れた皿を


受け取り彼女を調理室から出ていかせた。




そして、番場を膝元に抱え込んだまま


俺にこう言った。



「柏原くん…早く出ていって!!」



たった一言だった。

俺は守れなかったんだ。



「ごめんなっ…音…。」



音の心も、音の信頼も、音の友情も…



やがて、調理室にやって来た皆が

音を見て言っていた。



「……最低。あり得ない。
音ちゃん、私信じてたのに。」



「新井ってこういう事する奴だったのな。」



「番場くんを早く保健室へっ!!」
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